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リスナーの耳を守るための音量ルール|傷つけたくないから

ポッドキャストリスナーの耳を守るための音量ルール|傷つけたくないから

耳は、治療が遅れると回復が難しいそうです。

音声編集と画像編集が似てるとこ違うとこ

音声編集と画像編集。
なんだか似ているところもあるなぁと思う。

シャッターボタンを押す瞬間にほぼ決まる。それと同じで、音声の収録時にほぼ決まるって感じ。

違うところもある。

写真の場合、暗い写真から明るい写真に目を移しても眼を傷めるなんてことは考えにくい。

音声は違うんですね。

小さい音声から大きな音声への変化。耳を傷めてしまうかもしれない。

だから、決められた音量に合わせる編集は、とても大切なことなんです。

自分の配信は聞いた方が良い

問題なのは、大きな音量ではなく、小さな音声の方です。

リスナーが、音声が小さいのでボリュームを大きくする。次の番組が通常の音量だった時に事件が起きます

突然の大きな音。

実際に、何度も経験しています。お願いです。自分が配信している音声は聴いてください。他の番組と聴き比べをしてください

なんだか、うえからの物言いのようですみません。

私は、耳がよくありません。
時々、聴こえにくくなります。
聴こえない時の恐怖感は、経験しないとわかりにくいかもしれません。

耳は、治療が遅れると回復が難しいそうです。

7つ目の作業

前回、リスナーさんの耳ストレスを少なくするための音声編集6つの作業というお話をしました。

「配信テーマや目的に合った音声編集作業6項目。
何をどこまでやる?」というタイトルで、リスナーさんの状況を考えて編集する内容、作業、どこまで何をするのかを考えましょう。というお話でした。

その時に6つの編集作業をお伝えしました。6つだけだったんですが…本当は7つにしたいと思ってたんです。

もう1つあるんですよ。
ちょっと内容的に難しいと思ったので、前回省きました。その中で「音量の平均化」という作業がありました。それにちょっと似ています。

自分の声の大きさ、大きくなったり小さい声になったり、結構バラバラになります。収録の時に統一するのは難しい。それを編集で整えましょうという話。

あるいは複数人で収録する場合。1人が大きい声で、もう1人は小さい声だったら、やぱり音量のバランスを調整した方がいい。あと左右のバランスもありますね。

これが前回のお話での「音量の平均化」でした。

プラットフォーム全体での音量の標準化

もう1つ、別の意味での「音量の平均化」がある。それはプラットフォーム全体での「音量の標準化」という話です。

ひとつのコンテンツの中だけではなく、他の人が配信している番組を含めた、全体での「音量の標準化」をした方がいいというお話です。

例えば、スポティファイの中で番組間の音量がバラバラだと、聴く人が困る。iTunesでも同じ。YouTubeでもAmazon Music など、すべて同じですね。

音量がバラバラだと、番組が変わるたびにリスナーは、ボリューム調整をしないといけなくなる。

また、小さい音量の番組から、大きな音量の番組に移ったとき、聴いている人は、びっくりします。耳が痛くなります。痛くなるだけならまだいいのですが、耳が傷ついてしまうこともある。それは避けたいと思いますよね。

テレビやラジオでは決まりがある

テレビとかラジオでは、あまり音量の変化って気にならないじゃないですか。(たまにCMがうるさいと感じることはあるかもしれないけど…)

テレビやラジオで音量の変化が気にならないのは、その音量の聞こえ方にルールがあるからです。決められているんです。トーク、音楽、CM、ドラマ、映画などなど、いろんなコンテンツがある中で、バラバラの音量だと視聴者さんが困るわけです。

だからルールが生まれた。ということみたいです。プラットフォーム側が音量を合わせてねとお願いをしているルールのようです。

ポッドキャストにも決まりがあるのか?

SpotifyとかApple iTunes、YouTube にも規定があるようです。

ポッドキャストを配信するとして、規定に合わせた方がいいかなとは思うのですが…

合わせるべきなのか
合わせた方が良いのか
合わせない方が良いのか
合わせてはいけないのか

ポッドキャストに関して、まだ決定的なものが見つからなかった。そういう意味もあって、前回の編集作業6つの中から外したという理由もあるんです。難しいところです。

音量大きすぎる問題はほぼ解決されているが…

YouTube も規定があるようです。一部自動化されてることがあって、音量が大きすぎるものは小さくしてくれるらしい。そういう機能があるみたいなんです。

で、逆はなくて、小さい音はそのまま。なのでYouTubeの動画で音量が小さいと感じるのは結構あります。大きすぎると感じるのはない。

そういう風に調整しているプラットフォームもあるのですが、Spotify、Apple Podcasts は、どうなのでしょうか。音が大きすぎるのは、今まで出会ったことはない。

もしかすると大きすぎる音は調整してるのかもしれない。やっぱりその逆はなくて、小さい音の配信を大きくしてくれるという仕様はないんじゃないかな。

配信アプリ側での対策は難しい?

調整してくれるとうれしいんですが、今後はどうなっていくのか、例えばAnchorという収録アプリ、自動的に音量調整してくれるようになると便利だとは思う。

ですが、気になるのは、すでに配信してるものです。音量が大きいものはいいのですが、小さい音声のもの、これが調整されるとどうなるのか。

音量が大きくなるということは、ノイズも一緒に大きくなる。余計に聞こえにくいということになりかねない。

Anchorさんとしては、スマホひとつで手軽に配信できるっていうのをやってるので…調整しないといけないということは言いにくいのかなというのもあります。

ただ、ノイズ取りながら若干大きくするぐらいの自動編集はあってもいいんじゃないかなと思う。スタンドエフエムとかボイシーさんはどうなんですかね?

調整してる気がするんですけど、どうなんでしょうか。内部的なことはわかりませんが自動化していただけると聴いている側としても嬉しいかな。

が、なかなか難しいかもしれないですね。なのでね。できるなら規定に合わせて音声ファイルを作っておいた方が安全なのかな。

リスナーさんの耳のためにも、自分のためにも規定に合わせて音声を作るのが安全なんじゃないかと思います。

音量ルールに合わせる方法

でね。その規定に合わせることを専門的な用語で「ラウドネスノーマライゼーション」というらしい。前回の6つの作業と合わせて全部で7つの作業ということになります。

それができる人は、できるだけやった方がいいんじゃないかと思います。

私が使ってる Adobe Audition は、ポチっとボタン1つでできるんです。

無料の Audacity もちょっと調べてみたんですけど、できそうですよ。情報を見かけました。調べて見てください。

ラウドネスと最大トゥルーピーク

で、その規定ですが、プラットフォームごとに決まっていて重要なのが「ラウドネス」と「最大トゥルーピーク」の2つ。

「ラウドネス」というのが聴こえ方の音量。どれぐらいの音量レベルで聴こえているのかという数値。特殊な数値。

「最大トゥルーピーク」は、一番大きな音。最大音量が規定されてる。

スポティファイのラウドネスは、
-14 LUfs です。

「LUfs」が単位ですね。
-14 結構、大きめの音量です。

最大トゥルーピークは、-1 から -2 db(デジベル)です。

私はこの数値に合わせることにしています。

Apple iTunes は、-16 LUfs です。少し小さめなんですね。最大トゥルーピークは、-1 db です。

Amazon Music と YouTube は、同じでラウドネスが -14 LUfs で、最大トゥルーピークが -1 db です。

SoundCloud もついでに言いますと、-9 LUfs です。大きめですね。

もともと音楽配信サービスだったので、楽曲がよく聴こえるように -9 になっているのかもしれない。最大トゥルーピークは、-1 db です。

参照したデータは、ピークスタジオというサイトに掲載されていたものです。リンクを貼っておきます。
https://www.peak-studios.de/ja/upload-streaming-dienste/

たぶん楽曲用に作られた規定だと思います。

Apple Podcasts 用の規定

Apple のポッドキャスト用の規定がないかと思って探してみたんです。

Apple Podcastクリエイター向けの記事が見つかりました。オーディオガイドラインというページがある。
https://podcasters.apple.com/support/893-audio-requirements

オーディオレベルに関して引用します。

オーディオ設定はポッドキャストのラウドネスを管理して、サウンドを特定の範囲内に保ち、すべての音声コンテンツが聞こえ、歪みがないようにします。たとえば、高度に圧縮および増幅されたコンテンツは、音量が大きすぎたり、ダイナミックレンジが不足したり、歪みが発生したりする可能性があります。または、音声レベルが低いコンテンツはダイナミックレンジがありますが、静かすぎて、音声コンテンツが聞こえないか、理解できなくなります。いずれの場合も、リスナーは再生音量を快適なレベルに調整する必要があります。

https://podcasters.apple.com/support/893-audio-requirements

と書かれています。

つまり「ちゃんとオーディオレベル規定内で作っていただかないとリスナーさんが困っちゃいますよ」ということです。

このようなコンテンツによる音量調整を防ぐために、オーディオ信号を事前調整して、全体的なラウドネスを約-16 dB LKFSに保ち、許容誤差を+/- 1 dBにし、真のピーク値が-1を超えないようにすることをお勧めします。

https://podcasters.apple.com/support/893-audio-requirements

と続きます。

Google翻訳なので正しい翻訳になってるかどうか微妙ですが、大体そういうことなんだと思います。

楽曲とポッドキャストの規定は同じ?

ポッドキャストも先ほどのApple iTunes のラウドネスルールと同じだった。たぶん他のプラットフォームも、楽曲とポッドキャストの規定は同じと考えていいんじゃないかな。

ラウドネスを合わせる編集ソフト

ラウドネスをどうやって揃えるのか。方法はそれぞれが使ってる編集ソフトで異なってくると思う。それは調べていただくということで。

私は Adobe Audition を使ってるんで Adobe Audition の方法を別の配信で伝える…

と思ったけど、音声だけで伝えるのは難しそう。noteに画像付きで解説を投稿することになると思います

noteもポッドキャストと併せてフォローしていただけると嬉しいです。
https://note.mu/aoneko

調べて分かれば Audacity での方法も一緒に書きたいと思ってます。

という感じで、音量の聴こえ方のルール。それを合わせた方がいいのかどうか…。ご自身で考えていただくことになると思いますが、私的には規定に合わせて音声コンテンツを作っていこうと思っています。

みなさんはどう考えるか、またコメント、メッセージをいただけると嬉しいです。

音声はこちらです。

今回の配信が役に立ったという方、今後も聞いてみたいという方は、フォローしていただけると嬉しいです。

感想やメッセージは、お便りフォーム、Twitter、noteのコメントでお待ちしています。

ポッドキャスト:ポッドキャストをはじめよう
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https://note.com/aoneko/circle

今日も元気に楽しく

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